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コーヒーの味

夫は、まったくの庶民なので、
地元の人たちが
スタバでコーヒー飲んだりしているのを
みると、


「コーヒーの味、わかるの」


と、言いたくなるそうです。


瀋陽にも、いまや、たくさんのコーヒー屋さんがあります。


私がこちらへきた2年前より、加速度的に
増えているという気がするのは、気のせいかな・・・
気付かなかっただけかな・・・


世界展開のスタバは繁華街には、2~3件はあるし、
韓国系カフェやパン屋さんなんかにも
コーヒーが飲めるスペースが併設されるようになってたりして、
コーヒー文化もずいぶん身近になってますよね。


さらには
ワンタン屋でも肉まん屋でもなく、カフェを開く個人
も増えているようだし・・・


売れる、稼げる、という価値観で店をやるのではない個人が、
少しずつ増えているってことかもしれないんですよ、
だんなさん。


コーヒーの味、わかるの? なんて愚問じゃないか
と言い返したのですが。


でも、この間、ふと思ったんですよね。


たとえば、スタバを利用しているのは、
ほとんどが20代~40代。


当時、彼らと同じような世代が、
一杯30~35(約600円~)する
コーヒーを飲むなんてことは、
20年前でも、あまり考えられなかったよね。


当時のコーヒーがどんな値段だったか知らないけど、
いまの一般的なお給料が3000元(約5万)を考えても、
やっぱり、コーヒーって高い。


1杯分の値段で、そのへんの料理店で2品は頼める金額。
つまり、じゅうぶんお腹いっぱいになれる金額です。


コーヒーを飲むひとは、
圧倒的に少なかったはずなんだよなあ。


そう考えると、

「コーヒーの味、わかるの」

にも、ちょっと説得力が出てくる。


そして、今コーヒーに親しんでいる若い世代を

「格好つけて飲んでるだけだ」

と切り捨てるのですけれど・・・。

それは、ただの劣等意識の表出じゃないかと
思います。



夫は、コーヒーに興味がないんですね。
だから、一緒にカフェなんて、行ったことない。


そもそも、もったいないと思ってる。
飲み物に、そんなにお金使うのって。


私は、コーヒーが好きというより、
コーヒーのある時間、空間に対価を支払いたい、
という気持ちで通っているわけで、
豆のことなんて、詳しく知りません。


でも、これを夫は理解しない。


同じお金を使うなら、もっと実のあること
(お腹いっぱいになるとか、物が手に入るとか)
に使いたいと思っている。


だけど、私がいわばたった「30元」で
機嫌がよくなることを知っているから、
イライラがたまり衝突しそうになると
ちょいちょい

「コーヒー1杯、買ってあげる」

と言ってくる。

そして実際、私もそれで顔がゆるんだりする。

どうぞ、”簡単”、と呼んでください。(笑)



コーヒーひとつとっても、
夫が大人になるまでに経た過程(80年代~90年代)と、
いまの若い世代のそれとでは、
比べ物にならないくらいの変容、スピード感です。


中国には、そもそも「茶館」といって、
さまざまな中国茶が楽しめる
すばらしい喫茶文化があるはずなのに。

見向きもせず。

すでにコーヒーは
打ち合わせやデート、ちょっとした休憩に
欠かせない、あって当たり前の飲み物として
定着しつつある。



とはいっても、やっぱりときどき、
コーヒーに違和感を感じることはあるんですよ。


この間、スタバでぼうっとしていて、
ふと気がついたんですけど、なんと、
ブラックコーヒーを飲んでいる人が、
ほとんどいなかったんです。


え、そんなに
驚くべきことじゃない?


フラペチーノとか、
うえに生クリームのっかってるのとか、
チョコレートソースかかっているのとかが、
コーヒーなのだと思っているふしがある・・・


スタバにいたから、っていうだけでもない気がするのは、
ちまたの安いコーヒーは、だいたい甘いんですよね。


インスタントコーヒーといえば、
クリープと砂糖がまざったもののことで、
それを溶かして飲む大人を、私は何人か知っています。


コーヒーって、たばこみたいなもんで、
苦いのが飲みたくなる、っていう中毒性が基本の
嗜好品だと思っていたんだけど。


甘いコーヒーが浸透する、
その背景にはいろいろとありそうです。

苦いのはよくないという、
中医学的な視点も入っているのかも、という気がするし、


瀋陽では、
スタバばかりが人気を博しているからかも
知れません。


コーヒーは、スイーツ替わりなんだと思っている人、
案外おおいような気がするなあ。


甘いコーヒーのほうが好き、でもぜんぜんいいと
思うのですが、甘すぎるコーヒーはちょっと、
違うなあ、という気もする。


そうすると、じわじわと、冒頭の夫の言葉が
蘇ってきたりして・・・


いかんいかん。

私もそもそもコーヒーの味なんて、
知らないんだった。


まあ、スタバさんがいてくれるおかげで、
私はときどき簡単に息抜きできるし、
それだけでもありがたいことです。


だから、ここのコーヒー文化がどのように
定着していくのか、それを見守るのは
ちょっと面白そうだな、と思っています。


コーヒーの味_a0279234_12045169.jpg
瀋陽におけるカフェのメッカ、中山路には、
こういう銅像が何気なくあって、楽しい。

コーヒーの味_a0279234_12070948.jpg
最近試したカフェ「巣/nest coffee」。
このあたりは、ほとんどが歴史的建造物なので、
雰囲気が楽しめるのがポイントですよ。
ナチュラルな門構えのわりに、
中では、金髪のお姉ちゃんが接客してくれた。
静かで、なかなかよかった。

ついでに、この店の隣は花屋さんなんだけど、
そこでも、なぜかコーヒーが飲める。
(閉まっている時間帯の写真ですみません)
客の出入りが激しくて落ち着かないけど、
奥に書庫のような空間もあって、面白い試みをしている
店だった。

中山路は、カフェがいろいろ楽しめるかわりに
入れ換わりも激しい。
去年もらった、中山路カフェストリートの三つ折りパンフに
書いてある店のうち、
少なくとも3件はもう、空き家か違う店に入れ換わってる。

瀋陽でコーヒー屋さんが、稼げる仕事になるのは
いつのことでしょう。

コーヒーの味_a0279234_12194227.jpg
カフェもいいけど、
馬車も走る中山路は、ほんとに素敵だと思う。


by tania0418 | 2014-08-26 12:46


フリーランスの編集・ライター。夫の故郷、遼寧省瀋陽市での、食、子育て、仕事。瀋陽の骨董市で見つけた雑貨を「わたしの中国雑貨店」にて販売。https://mychina.thebase.in/


by tania0418

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