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瀋陽の英語熱

中国語を、本腰入れて学ぼうと思い、
こちらで知り合った方に中国人の先生(女性)を
ご紹介いただきました。


その方に、先日お試し授業を自宅で
していただいたのですが、これが面白かった。


彼女は、「日本語能力試験」という
英語でいうと「英検」みたいなやつの
1級レベルを合格済み。


しかも、外国人向けに中国語を教えるカリキュラムも
受講しているとあって、
日本人が陥りやすい発音のミスや
中国語の雑学みたいなことに
大変詳しく、聞いていて飽きない2時間でした。


まあ、お金を払ってお願いするのですから、
教師としてはあって当然のスキルですね。


でも、はっきり言って驚きました。


こんなふうに、スキルと仕事量のバランスを
ちゃんと考えて語学講師のお仕事をされている人がいることに!(笑)


私も、アルバイトで日本語教師をさせて
いただくことがあるので、余計に共鳴しました。

昨今の不安定な情勢のおかげさまで、
日本語の生徒数は激減していますが。


そして、
いくつかの語学塾を見学した経験を踏まえて感じるのは、
いまや瀋陽は、イングリッシュティーチャーの天国だということ。


プライベートな私塾であれば、
生徒数もさることながら、
教師に支払われる1時間の授業料は、
日本語教師の倍以上が相場です。


ネイティブスピーカーでさえあれば、
過去のスキルは一切問われません。
(それは、日本語でも同じなのですが。)


こちらでお世話になった大学教授と会食をしたときのこと。

同大学でアメリカ人と一緒に英語の授業を担当している
その先生が、パートナーのアメリカ人に、
これまでどんな仕事をしてたのかと尋ねたら、
「木こり」という答えが返ってきたのだそうです。


―仕事を変えようと、いや、人生を変えようと
中国にやってきた。
ここでなら、英語さえ話せれば
仕事があるから。


言うまでもありませんが、木こりも、立派な職業です。


だけど、
大学という教育機関で英語教師として採用されるために、
林業が有利になることはない、
という価値観で生きてきた私にとっては、
わりと大きめのショックでもあり・・・・・。


授業料に見合った、質の高い授業が提供できるか。


そういう選択基準が、
教育において(も)、あまり求められない。


私だって、一応は、
通信講座で日本語教育養成講座などを受講し、
日本語学校で非常勤講師の経験はあるんです(ほんの2年弱の話・・)。


でも、私の教えられる実際のスキル、
受け持ったことのある授業内容を、
これまで面接にいった学校に尋ねられたことは
ほとんどありません。(あ、一件だけ、ありましたね)


面接で、日本語で模擬授業をやってくれ、
といわれ、学校側の担当者に見ていただいたこともありますが、
どこにも、日本語がわかる方が座っていらっしゃいませんでした。


日本語ネイティブなら、決められた時間数をこなせばOK!


と、カラッとした笑顔で生徒数名を任され、
それはそれで、教える側はとても気楽で、
また、カリキュラムにも自由度が出て、
面白いと思うこともあるのですが。


これでは、受講する生徒さんがかわいそうでは・・・?


でも、そんなこと、私が心配することでもなさそうです。
こういうスタイルも、瀋陽という地方都市ならではの
現象なのかもと思います。

過渡期であるともいえるのかな。

あと数年もすれば、街中に乱立する英語塾も
全体的に淘汰されて、
”よいもの”が残ってくのではないでしょうか(と思いたい)。


それにしても、
外国語を学ぶことさえ許されなかった
1970年代からまだ、50年も経っていないというのに。


この国の熱気は、日本語などには見向きもせず、
英語習得という目的にのっかって、
ハイスピードでどこかへ向かっているのです。
# by tania0418 | 2012-11-14 23:11

初雪

とうとう、降り積もりました。

昨日一日降り続いた雨は、
深夜の冷気にひやされて、
朝には雪景色に。

初雪_a0279234_21334.jpg



とはいえ、今日はちょっと寝坊してしまったので、
起きたときには、すでに解けはじめており。
登りきった太陽に照らされて、
あたり一面、キラキラと輝いておりました。


瀋陽は、街全体が汚れていて埃っぽいのですが、
雪が残る快晴の日は、空気がとても清らかに
感じられます。冬もいいもんだなあと。


余裕さらしていられるのも今のうちでしょうか。
本格的な冬の、まだ序盤にもなっていないと思わなければ。


今日降り積もった雪は、
これから春になるまで(おそらく来年の3月くらいまで)、
このまま解けることはないのだそうです。


初雪_a0279234_22768.jpg

# by tania0418 | 2012-11-13 02:04

中国の結婚事情

お天気に恵まれ、季節外れに少しあたたかった週末、
近くの「南湖公園」に散歩に出かけました。

よくある運動器具はもちろん、
遊園地らしき設備もあったりする
わりと大きな公園です。


ここに、週末になると、必ずできる人だかりがあります。

これこれ。

中国の結婚事情_a0279234_23424434.jpg


ここは、いわゆる結婚情報交換の場。


ずらりと並べられているのは、
結婚を求む男女の情報がかかれたチラシです。


この人の群れはつまり、紹介業者さんのほか、
結婚したい男女をもつ家族たち。(おそらく、当事者はいません)


気になる人物を見つけ、結婚までこぎつけたら、
業者さんに謝礼が支払われるという
お金の臭いのぷんぷんする結婚斡旋の場です。


驚くべきは、瀋陽ではこんな光景、5、6年ほど前には
影も形もなかったということ。


数年前から、上海など大都市ではすでに見聞きしていましたが、
瀋陽でも例にもれず、週末の公園で
このような結婚斡旋業が行われるのが慣例になりつつあります。

中国の結婚事情_a0279234_23434955.jpg


一部のチラシを見てみると。
たとえば、一番手前のチラシは男性の求婚情報のよう。

「80年生まれ。176㎝73キロ。
大卒。月給2800元。76平米の部屋所有。
84年~88年生まれの女性、求む。」


わりとシンプルです。

これが、女性のものになると、
かなりシビアなんです。

女性は自分の自己紹介もそこそこに、
求める男性の条件を必ずリストアップ。

結婚したい相手に求める条件NO1は、
「家(不動産)を所有していること」(賃貸はNG、条件にもなりません)。

次に「車を持っていること」。
さらには、「身長が175㎝以上」とかいうのも目立ちます。

30代、40代の女性、
再婚相手を求める女性なども少なくないのですが、
こうした「条件」面の内容が、手ぬるくことはありません。


つまり、中国における結婚は、
男性へのプレッシャーに他ならない。


女性の求める「いい暮らし」を実現できない男は、
相手にされない傾向にあります。
女性に求められる条件は、健康、性格良好、くらいかな。


私などがもし相手を探している立場なら、
思わず後ずさりしてしまいそうな現場です。
だって結婚ってもっとなんかこう、精神的にっていうか・・・・・・。



中国では、私のような人間は生き延びていけない。

そう自分に言い聞かせています。


つまりは、繰り返すようですが、
「お金」がどんだけほしいか、なのです。


中国におけるお金の偉大さ。
それは、結婚とも無関係ではありえない。

お金が、仕事や人間関係をつくり、
幸福の潤滑油どころか基盤になっている社会で、
お金はほしくない、愛がほしい、などというのは、
この大陸では邪道なのです。(あ、ちょっと言い過ぎかも。)


とくに、こうした結婚斡旋を利用する男女のほとんどは、
80年代生まれ。

一人っ子ばりばりで、
右肩上がりの中国で自信満々、
いい暮らしをもっともっと追究したい世代です。
それの、何が悪いの? と。


こういう風景を見せられると、
もう少し貪欲に相手を選べばよかったかなあと
思わなくはありません(笑)


少なくとも、幸せな結婚とはなんだろうか、と考えさせられます。


家や車や職業と結婚するのと、
なにはなくともとにかく一緒にいて楽、と結婚するのとでは、
どのへんが、どのように違うのでしょうか。


どちらも、「幸せな結婚がしたい」という意味では、
同じことを言っているように聞こえるのは、私だけでしょうか。


言うまでもなく、結婚の価値観なんて
時代が変われば変わるもの。

中国のこのにわか産業も、10年後、どうなっとるか
わかったもんじゃありません。


だからこそ、
もし結婚することに、未来永劫ゆるぎない存在感と価値があるなら、
その”幸せな結婚”の意味するところを
私も実感してみたい、などと思ってしまいます。
(こう見えて、いろいろありますので。。。)


大陸80年代生まれの、
「できるだけお金に困らない、快適な暮らしがしたい!」
という貪欲な叫びを聞くにつけ、
そこにも何かヒントがあるような気がする今日この頃なのです。

中国の結婚事情_a0279234_23445397.jpg

# by tania0418 | 2012-11-13 01:38

子育てで最も役に立たないことば

一日、いったい何度使っているのだろうと、
あるとき、自分が思わず(意識しないで)
使ってしまった「早く」をカウントしてみました。


早くしなさい。
早く着替えて。
早く行くよ。
早く、早く、時間がなくちゃっちゃう・・・


もちろん、相手は娘です。

数えようと思ったら
意識して逆に言わなくなっちゃうかな、
なんて甘く考えていたら、
出るわ出るわ・・・

朝の20分ほどで軽く10回近くになり
あっという間にうんざりした気分になって
カウントするのをやめました。


「早く」と娘に発すれば発するほど、
まったく幸せな気持ちになれない自分に
気づいてしまったのです。



・・・ハッキリ言って、「早くして」なんていっても
いいことが起こらない。


早く食べたからって、体にいいわけがない。

早く幼稚園に行けたら、外で起こっているいろんな物事を見逃してしまう。

早く着替えたからって、時間は増えないですよ。

そもそも時間は増えたり消えたりするものではない。

・・・早いのがいいのは、
おいしい空気が吸える、朝の起床だけな気がしてきました。


結局、
「早くしなさい」と言ったところで娘の行動が
早くなったためしがない、
という単純な意味では、
この言葉の有効性、はっきりいって
ナイんじゃないでしょうか。


そして、「早く」を真面目にうけとめて圧迫されているのは、
実は私自身なのではないかという・・・・・・・・・。


ますますせっぱつまっていく精神状態で、
私の話す言葉を、娘がまともに
聞いてくれるはず、ありません。


というわけで、この言葉を使わずに生活したい。


これが目下の課題です。


そして、「早く」に変わる言葉を探しているのです。


たとえば、「早く行こう」を言いそうになったら、
「一緒に行こう」と言ってみるとか。

あえて、「ゆっくり」とか「ぼちぼち」を
使ってみてもいいのかな。

なにかほかにいい具合の言葉が
ないかなあ、などと。


言葉というのは、想像以上に、
それを発する人のこころの状態をつくりあげていく、
魔力を持っていると思うのです。

その力の偉大さに、なるべく敏感でありたいと願ってはいるのですが、
お母さん業との両立はなかなか難しいですね。。。


ちなみに、娘が「早く」をよく使う場面があります。
絵本や携帯の動画を見たいときです。


「絵本よんで、早く」
「携帯貸して、早く」


言われた瞬間、貸してやりたくなくなります。


お母さんであることは、常に
写し鏡で自分を見せられるようなことだなあ、と
実感込みで、思います。


子育てで最も役に立たないことば_a0279234_139367.jpg

# by tania0418 | 2012-11-10 01:44

子どもと出かけると

近所に発見した酸菜鍋の専門店にて。
子どもと出かけると_a0279234_3193050.jpg

いまが旬の発酵した白菜と、骨付き豚のお鍋です。
鍋みたいになってますが、具はこれ以外に入っていません。
お肉は、いろんな部位が選べます。
ものすごく一般的な東北家庭料理のひとつです。





ところで、娘とお風呂屋さんに行くのが
最近のブームです。


従業員さんにはもうかなり顔が知れてます。
とくに、娘のほうは、「日本の子どもが来た」と言われ、
ちょっとした有名人です。


更衣室では従業員に囲まれ、アメをもらったり。


浴室では、子どもに浮き輪を投げてくれたり。
(大き目のお風呂やさんだと、浴槽はかなり深めです。子どもが軽く
溺れる深さあります)


そして、今日はなぜか、私と娘のところに
新品のせっけんを持ってきてくれました。


この、中国のお風呂屋さんの独特の空気、
もちろん、日本の銭湯ともぜんぜん違います。


どう違うかって、単純なことでいうと、
もっと、みんな、堂々と、裸です。


あちこち隠したりせず、となりで洗ってる人に
「瀋陽にきて何カ月だ?」なんて話しかけられます。


この習慣になれてしまえば、なんとお風呂屋さんの気が楽なこと。


しかも、「日本の子ども」をみんな気にしてくれるから、
今日などは、従業員さんが遊んでくれて、
私もゆっくり体を洗えました。


お風呂屋さんに限ったことではないのですけれど。


子どもをかわいがってくれる空気が、
たとえ素っ裸の状態であっても変わらずあるので、
親としては、恥ずかしいをとっくに通り越して、
ありがたい。


ちなみに、入湯料は正規だと
大人29元(400円)。子ども15元(200円)。


ちょっと高めですね。
でも、夫が作ってくれた会員カードのおかけで、
今日もあわせて15元ですみました。


さらに今日は、
娘に初めて通訳をしてもらうという、
なんとも忘れられない日になりました。。。


私たちがいつものように
更衣室で質問攻めにあっているときのこと。


聞かれた質問のなかに聞き取れない単語があり、
なんの気なしにそばにいた娘に
「シャンシエってなんだっけ」と聞いてみたら。


「お勉強すること?」


そして、はっとして
「上(シャン)」が「行く」、「学(シエ)」が「学ぶ、または学校」
つまり、学校に行く、みたいな意味だと思いだし、
あっというまに会話が通じたのです。


こんなに早く、娘に中国語を追い抜かれるとは・・・・・・・
まだ、瀋陽にきて、4カ月でありますよ。


子どもの脳みそって、ほんとうにおそろしい。
宇宙のようです。
# by tania0418 | 2012-11-08 03:39


フリーランスの編集・ライター。夫の故郷、遼寧省瀋陽市での、食、子育て、仕事。瀋陽の骨董市で見つけた雑貨を「わたしの中国雑貨店」にて販売。https://mychina.thebase.in/


by tania0418

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