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満鉄付属地を歩いてみた

私って、瀋陽のことを何もしらないなあ。


ほんとうに、ブログに書いたりして
いったい何をわかったつもりでいるんだろうと思う。


太原街まできたので、ひさしぶりに周辺を
歩いてみたんですが、本当にそう思いましたよ。


北二馬路~北三馬路、中山路裏手あたり。


このへんは、満鉄付属地とよばれ、
ほとんど日本人が開拓した場所といってもよいこと
などは、インターネットをちゃちゃっと検索すれば
出てきます。



満鉄時代の建物がたくさん残っているので、
きょろきょろしてしまう。

町並みが、どこか異国です。
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外見的な状態は悲惨ではあるけれど、まだ
使われるほどに維持されていることから、
瀋陽の遺産として保存活動も進んでいます。


そうしててくてく歩いていたら、
北三馬路にある満鉄社宅に辿りつきました。


ちょうど、中央郵便局(このチャイナポストも当時、
日本が建造し、使っていたもの)の裏手、あたり
なのかな。


あたり一面、高層ビルだと思っていた、
その足元に、まだ、ひっそりとありました。

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ここに、日本人が暮らしていたーー。


南満州鉄道株式会社の平社員の社宅は、
いまでも瀋陽の庶民の住宅として使われていました。


周辺は市場や露天商でにぎわい、
いかにも地元っぽい活気にあふれています。


周辺に、高層ビルの波が迫っていることを
意識しなければ。
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二階へあがってみた。
ここまではいわば公共空間なので、誰があがっても
とやかく言われる筋合いはありません(中国的文脈において)。
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けれど、さすがに個人宅にカメラは向けられないね。
ちらっと横目で見た玄関や窓は、
当時のままかと思われるような
なんともいえない劣化状態でした。

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中庭にも入ってみた。
廃墟じゃないですよ、ひとが住んでいる住宅です。


しかし、100年近く前にたてられたものが、
こうして残っているというのは、
やっぱり日本の建築技術がそれなりに高かったって
言えるのでしょうね。


あるいは、使い方が丁寧であった、
とも言えるのかも。


乱暴に作らない、使わない、という日本人らしさが、
今のこの建物に宿ったのかもしれません。


この社宅に暮らしたのは、平社員の方々です。
上層部や幹部が、召使つきで暮らしていたのは
一戸建ての個人宅。


そのような個別の古い一軒家は、
もうほとんど周辺にはほぼ残っていないようですが、
身分制度も甚だしかった当時の日本、、、
私にはうまく想像できません。



太原街ばかりが日本人が暮らしていた場所と
思っていたのですが、そんな話を夫としているとき、
夫の実家の近く(太原街から少し離れた場所)にも、
日本人社宅がまだ残ってる、というではありませんか!


驚いて、さっそく連れて行ってもらったことがあります。

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これとか。これとか。
ほんとに、目と鼻の先にあったよ・・・

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でも、ねえ。

見ただけでは、「ほんと~?」って思うんですよ。


先述の建物もそうだけど、地元の人たちは
「これは日本人がつくったものだ」とか言うんだけれど、
建物のどこにも「日本」という文言、
日本人が作ったことを証明するような
「説明」がない。


これだって、古いには古いけれど、
ただ、あるだけ、なんですよ。

ただ、現在の日常に飲み込まれて存在
しているだけなのです。


だから、


オレの同級生がここに住んでいた、とか
(20年くらいまえです)

遊びにいったことあるけど、みんなそうだと
知ってたんだよ。

台所とトイレが共同だった。


とか聞いても、

だから??

って思っちゃうんですよね。

あなた実際にここに住んでた日本人に
あったわけじゃないでしょ、って。


(注・ちなみにこの裏手は軍関連施設。
派手に写真を取っていると
連行されそうになるので控えめに)


けれども、周辺の中国の一般団地と比べても
仕様は少し異なるようだし、
状態もとにかく古い。


一応見てみるか、ということで
半信半疑のまま、
例の如く、二階まであがってみたんです。


そうしたらね。


上がりきったところが、小さな踊り場になっていて、
左右に扉(入口)があり、
各々の部屋につながる廊下へとつながっていました。


その入口のところを見て、ドキッとした。


入口のところに、ひさしのような小さな屋根が
ついていて、その屋根の下に、電灯がくっついていたんです。


それは、まさに、昭和初期に見られるような、
あるいはその頃を描いたテレビドラマにも容易に見られるような、
下宿やど、旅館、なんとか荘、といった
入口のたたずまいそのもの、だったんです。


少なくとも、私はそう感じた!


中国の家づくり(当時)で、すでに屋根のある
二階の入口に、わざわざひさしをつけるなんて、
あまり考えられない。


もしかしたら、ここもそうだったのかもしれない、
その可能性が高い、そんな気がしました。




とはいえ、瀋陽の開発の波は、とどまるところを知らず。


こういう建物は、「お金になるかならないか」
で、価値判断されたらあっという間に
取り壊されてしまうでしょう。


残り少ない日本の気配が残る建物を
保存したいと切に願っているのは、
瀋陽の当局や市民などではなく、
外地人である私たち、なのかもしれないと思います。



さて太原街からの帰り道、駅前のバス停から
203のバスにのろうとして、
そういえばこのあたりも日本人街だなあ、と
バス停の周辺をきょろきょろしていたら、
すぐ後ろの建物にこんなプレート。

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歴史的建造物なのはわかります。

だけど、
この建物がいつ、なにで作られたかは
説明されてはいても、

あきらかに日本名とわかる「岩間商会」とはなにか、
作ったのは誰か、何に利用されたのか、
そこには「日本」とも、「日本人」とも書かれていません。



瀋陽が、自分のことばで
歴史を語ることの、葛藤。



それを、感じずにはいられません。







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by tania0418 | 2014-08-27 14:24 | Trackback | Comments(0)

中国的デザイン

財布がなくなったので、
もう財布を持つのをやめることにしました。


高級デパートにいって、品質価格ともに
すばらしい財布を求め、それを大切に使う、
という手もありますが、
瀋陽ではやめとこうと思います。


狙われたらいけない(笑)


といっても、私の数百倍、
高級な衣料品、雑貨、サングラス(偽物じゃなくてですよ)を
身につけている中国のご婦人は

ほんとうに!たくさん!

いるから、
私が狙われる確率は果てしなくゼロに近いんですけど。


というわけで、しばらくこれを使っています。

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5,6年まえにここで購入していた、
ポーチ?です。

ちょうど、紙幣がすっぽりはいる大きさで、
かつての1元札がプリントされています。
古い紙幣デザインのようです。


今まではクリップとかのりとか、細かい文房具を
入れるのに使っていたんだけど、
今こそ、これ以上に財布にふさわしいものはない、
と気がつきました。



今もあるこのお店は、
「一九八三」という名前の雑貨店で、ワンダデパートの中に
いまも入ってます。

たしか、一九八三年生まれの若手デザイナーたち
(つまり、80后/文革以降、一人っ子の
バーリンホウとよばれる世代)に
よって立ち上げられた、と当時、聞いたな・・・


初めて店に行ったころは、こんなかんじの、
毛沢東主席語録をメモ張のデザインにしちゃうような、
ホーローカップに「中国共産党」と書いてあるような、
そういう粋なデザインのものが結構あったんだけど。


いまは、子どもの落書きみたいなぬいぐるみとか、
ぜんぜんかわいくないキャラクターがついたノートとか、
あひるの口のところがまさにあけ口になっているようなリュックとか、
ここでいうPOPなデザインのもののほうが
主流になっているような気がします。


だから、あんまりもう行ってないのですが。


瀋陽だと、やっぱりこのタイプの入れ物が
使いやすいな!


小銭必須のバスやタクシーでもすぐお金を取り出せるし、
そのへんのコンビニや市場で、
たまる一方だったコイン小銭(1毛、5毛、1元)
が消費しやすいのも、なんか助かる。

これが財布だとあまり気付かれないのも、いいです。




「一九八三」で、こんなふうに中国共産党を
デザインにしてしまう雑貨類をみたとき、
中国は、以外と冷静なのだ、と思った。


お金も、システムも、雑貨ふくめた日々の暮らしも、
結局は、どうデザインするかという問題。


共産党のプロパガンダは続いているけど、
そういうものでは響かない、動けない世代が、
いまや中国を動かしてるんだなって感じます。



そういえば、それで思い出すのは、
毛沢東主席の巨大銅像がたつ
中山広場のロータリー。


西の方角に向かって手をあげる毛主席のまわりを、
車がぐるぐると走り過ぎていく、
ラウンドアバウト広場ですが、ここにいる毛主席のことを、



「いつもタクシーを拾おうとしてるんだけど、
だれも止まってくれないんだよ」



と話す、
夫ふくめ夫の友人らの言葉が思い出されます。


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時代がかわれば、銅像の意味あいもずいぶん変わるね。



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by tania0418 | 2014-08-27 12:38 | Trackback | Comments(0)

コーヒーの味

夫は、まったくの庶民なので、
地元の人たちが
スタバでコーヒー飲んだりしているのを
みると、


「コーヒーの味、わかるの」


と、言いたくなるそうです。


瀋陽にも、いまや、たくさんのコーヒー屋さんがあります。


私がこちらへきた2年前より、加速度的に
増えているという気がするのは、気のせいかな・・・
気付かなかっただけかな・・・


世界展開のスタバは繁華街には、2~3件はあるし、
韓国系カフェやパン屋さんなんかにも
コーヒーが飲めるスペースが併設されるようになってたりして、
コーヒー文化もずいぶん身近になってますよね。


さらには
ワンタン屋でも肉まん屋でもなく、カフェを開く個人
も増えているようだし・・・


売れる、稼げる、という価値観で店をやるのではない個人が、
少しずつ増えているってことかもしれないんですよ、
だんなさん。


コーヒーの味、わかるの? なんて愚問じゃないか
と言い返したのですが。


でも、この間、ふと思ったんですよね。


たとえば、スタバを利用しているのは、
ほとんどが20代~40代。


当時、彼らと同じような世代が、
一杯30~35(約600円~)する
コーヒーを飲むなんてことは、
20年前でも、あまり考えられなかったよね。


当時のコーヒーがどんな値段だったか知らないけど、
いまの一般的なお給料が3000元(約5万)を考えても、
やっぱり、コーヒーって高い。


1杯分の値段で、そのへんの料理店で2品は頼める金額。
つまり、じゅうぶんお腹いっぱいになれる金額です。


コーヒーを飲むひとは、
圧倒的に少なかったはずなんだよなあ。


そう考えると、

「コーヒーの味、わかるの」

にも、ちょっと説得力が出てくる。


そして、今コーヒーに親しんでいる若い世代を

「格好つけて飲んでるだけだ」

と切り捨てるのですけれど・・・。

それは、ただの劣等意識の表出じゃないかと
思います。



夫は、コーヒーに興味がないんですね。
だから、一緒にカフェなんて、行ったことない。


そもそも、もったいないと思ってる。
飲み物に、そんなにお金使うのって。


私は、コーヒーが好きというより、
コーヒーのある時間、空間に対価を支払いたい、
という気持ちで通っているわけで、
豆のことなんて、詳しく知りません。


でも、これを夫は理解しない。


同じお金を使うなら、もっと実のあること
(お腹いっぱいになるとか、物が手に入るとか)
に使いたいと思っている。


だけど、私がいわばたった「30元」で
機嫌がよくなることを知っているから、
イライラがたまり衝突しそうになると
ちょいちょい

「コーヒー1杯、買ってあげる」

と言ってくる。

そして実際、私もそれで顔がゆるんだりする。

どうぞ、”簡単”、と呼んでください。(笑)



コーヒーひとつとっても、
夫が大人になるまでに経た過程(80年代~90年代)と、
いまの若い世代のそれとでは、
比べ物にならないくらいの変容、スピード感です。


中国には、そもそも「茶館」といって、
さまざまな中国茶が楽しめる
すばらしい喫茶文化があるはずなのに。

見向きもせず。

すでにコーヒーは
打ち合わせやデート、ちょっとした休憩に
欠かせない、あって当たり前の飲み物として
定着しつつある。



とはいっても、やっぱりときどき、
コーヒーに違和感を感じることはあるんですよ。


この間、スタバでぼうっとしていて、
ふと気がついたんですけど、なんと、
ブラックコーヒーを飲んでいる人が、
ほとんどいなかったんです。


え、そんなに
驚くべきことじゃない?


フラペチーノとか、
うえに生クリームのっかってるのとか、
チョコレートソースかかっているのとかが、
コーヒーなのだと思っているふしがある・・・


スタバにいたから、っていうだけでもない気がするのは、
ちまたの安いコーヒーは、だいたい甘いんですよね。


インスタントコーヒーといえば、
クリープと砂糖がまざったもののことで、
それを溶かして飲む大人を、私は何人か知っています。


コーヒーって、たばこみたいなもんで、
苦いのが飲みたくなる、っていう中毒性が基本の
嗜好品だと思っていたんだけど。


甘いコーヒーが浸透する、
その背景にはいろいろとありそうです。

苦いのはよくないという、
中医学的な視点も入っているのかも、という気がするし、


瀋陽では、
スタバばかりが人気を博しているからかも
知れません。


コーヒーは、スイーツ替わりなんだと思っている人、
案外おおいような気がするなあ。


甘いコーヒーのほうが好き、でもぜんぜんいいと
思うのですが、甘すぎるコーヒーはちょっと、
違うなあ、という気もする。


そうすると、じわじわと、冒頭の夫の言葉が
蘇ってきたりして・・・


いかんいかん。

私もそもそもコーヒーの味なんて、
知らないんだった。


まあ、スタバさんがいてくれるおかげで、
私はときどき簡単に息抜きできるし、
それだけでもありがたいことです。


だから、ここのコーヒー文化がどのように
定着していくのか、それを見守るのは
ちょっと面白そうだな、と思っています。


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瀋陽におけるカフェのメッカ、中山路には、
こういう銅像が何気なくあって、楽しい。

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最近試したカフェ「巣/nest coffee」。
このあたりは、ほとんどが歴史的建造物なので、
雰囲気が楽しめるのがポイントですよ。
ナチュラルな門構えのわりに、
中では、金髪のお姉ちゃんが接客してくれた。
静かで、なかなかよかった。

ついでに、この店の隣は花屋さんなんだけど、
そこでも、なぜかコーヒーが飲める。
(閉まっている時間帯の写真ですみません)
客の出入りが激しくて落ち着かないけど、
奥に書庫のような空間もあって、面白い試みをしている
店だった。

中山路は、カフェがいろいろ楽しめるかわりに
入れ換わりも激しい。
去年もらった、中山路カフェストリートの三つ折りパンフに
書いてある店のうち、
少なくとも3件はもう、空き家か違う店に入れ換わってる。

瀋陽でコーヒー屋さんが、稼げる仕事になるのは
いつのことでしょう。

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カフェもいいけど、
馬車も走る中山路は、ほんとに素敵だと思う。


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by tania0418 | 2014-08-26 12:46 | Trackback | Comments(0)

セロリの葉っぱ

スーパーに買い物にいって、葉っぱがみごとについた
巨大なセロリを選んだんです。

なんとなく、セロリスープが飲みたくなったんですよねえ。


それをレジへ運んで、レジ打ちしてもらっている間、
その葉っぱのひとかけらが、私の足元へ
はらりと落ちてしまった。


葉っぱが3枚ほどついた、一枝、です。


「あ、おちたな」って私も気がついたんだけど、
「ま、いっか。床に落ちちゃったし」と思いなおして、支払をすませ
さっさと帰ろうとした。


そうしたら、
そばで待機?というか仕事?というか凝視?していた、
スーパーの掃除係のおばちゃんがやってきて、
その葉っぱをひろい、
わたしの買い物かごの中へ入れました。


「セロリの葉っぱ、落ちたよ。
餃子にたくさんいれるとおいしいからね。
もったいないから持っていきな」


掃除のおばちゃんから、
落とした葉っぱを拾われたーー。


餃子を作るつもりじゃないんだけど、
私は「ありがとう」と言いました。


セロリの葉っぱがゴミじゃないことを
教えてくれた、掃除のおばちゃんに。


スーパーを出るとね、
日中続いた雨があがって、雲間から夕焼けがのぞいていて、
やっぱり、地球ってすばらしい、という気持ちになれたのは、
あのおばちゃんのおかげだったんです。

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by tania0418 | 2014-08-25 22:21 | Trackback | Comments(0)

夕食は、屋台で

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ある日の夕食。

週に2回くらいは
こうやって外で、串焼肉を食べているかな。

あれ、これがレストランだって気付かなかったですか。


瀋陽の夏は、屋台や露店に集約
されるといっても過言ではないでしょう。

その王様が、串焼きの屋台です。

夏になれば、あっというまに
焼肉屋じゃない個人までもが、肉を仕入れ
屋台を始める。

実に、すばやい。


隣近所がどれだけ串焼きをやっていても、
なおかつ自分も串焼きをやるのです。

そのストリートの、煙たいこと。


夏は、こうして、儲かるのだそうです。
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私たちの対面で仕込みをはじめる別の屋台。
これも串焼き屋だろうな。荷台には、客席用の座イス。


主に、羊肉とか牛肉を焼いてくれるのですが、
イカ焼きとか、あさり、しじみ、
よくわからないもの、など、豊富に用意している店もあります。


1本1元~2元。

たまに、1本0.5元の店もあるけど、
串に肉が糸のようにからんでいるだけ
だったりするから、おすすめしないですね。


ほとんどの場合、そばに(すばり、歩道に)
小さなテーブルと座イスを用意していて、
近所のコンビニ使えば、水もビールも買ってこれるという、
非常に手軽な、近所関係も重視したお店だったりしますが、
まあ、なんにせよ、外で食べるっていうのは気分がいいですね。


夕刻の、日がやわらかくなってきたあたり、
木陰にセットした超即席テーブル席で、
ささやかなつまみと晩酌・・・(と言えるほどでもないけど)


これが最高に、ぜいたくに感じられる瀋陽の夏であります。


もちろん、店によってあたりはずれがあるので、
店主の顔つきは、こういうときこそ凝視すべきですが、
気分のよさにかき消されてしまうことも多いです。



そういえば、こういう店の前に、
生きている羊や鳥を”展示”している店もあるな。

肉の新鮮さをアピールしているのだそうです。
(鳥などは、その場でしめてくれるんだけど・・)


この夏、娘の幼稚園の前にも
串焼き屋が続々オープンしていて、
そのうちのひとつが、羊を電柱につないで
営業しています。

まさか、こんなところで、こんな明るいうちに
しめないよね?


などとビクつきながら、いつも通っていたけど、
2、3日過ぎてもただそこにつながれているだけ。

「ああ、まだいる」

なんて、通るたびにホッとするようになっていた昨日、
同じ場所に、その羊が横たわっていました。

その背後で、串焼き屋がもくもくと炭をたいています。

思わず、手を合わせて、心の中で感謝した次第。


中国の食文化は、生々しいかわりに
命をいただくことと、とても近いところにあるぶん、
まだ健全だなと感じられることがあります。


私たちのひとり残らず、
生かされているのだ、と思う。




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by tania0418 | 2014-08-19 12:27 | Trackback | Comments(0)

夏の遊び、凧あげ

お盆を過ぎれば、日本の猛暑も少し落ち着いてきますね。

瀋陽では、お盆まえからすでに
朝晩肌寒いほどの冷風がふくようになり、
夏はあっという間にどこかへ行ってしまったようです・・・

去年は、もうちょっと残暑厳しかったけどなあ。


最近夫が、凧にはまっています。
すきをみては、凧あげにいこう!などと
誘ってきます。

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こんなハンドルで操作しているけど、
これは凧というより、カイトというほうが正しいのかな。
でも、凧上げなんて東京ではできないし、
田舎にいってもあまり見られる風景じゃ
なくなっていますよね。


瀋陽では、
夏の夕涼みにはぴったりの遊びです。
なんとなく、日本よりも風がつよい気もするし
凧上げ文化が浸透するのに適しているのかもしれません。


こちらの凧は、カイトから電光ライトつきの連凧まで
実にいろいろとあって、
夜でも点滅させながら飛んでいるそれは、UFOのよう。
主に、おじさんが楽しんであげているように
見受けられます。


というわけで、
夫の幼なじみから、ずいぶん立派なカイトを譲り受けたのだけど、
子どもごころを思い出すのか
もともと子どもなのかわかりませんが、
ずいぶんウキウキしている夫です。


夏もそろそろ終わるしね、
私もいっかい、この凧をあげてみたいなと思うんだけど。
そんなにはまれないのは、性差でしょうかね、
それとも性格ですかね。

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実家近くの運動公園。
ぼろぼろで、もう試合すら行われていないスタジアムですが
こうして一般市民に開放してくれています。
夕方、ここに人があつまってくるのですが、凧上げする人以外に、
トラックをハイスピードで歩く団体(有志グループ)も多数。
どんどん健康志向が高まる中国です。








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by tania0418 | 2014-08-18 15:05 | Trackback | Comments(0)

漢方薬を飲んでいます(3)

漢方薬、後日談です。


私を見てくださったおじいちゃん先生は、
皮膚疾患の専門家で、この道40年余り。

また、西洋の薬との混合治療に経験と実績あり、
だということを、院内に掲げられている
医者プロフィール看板によって知りました。


そういえば、
私の孤立性湿疹にも、例によって漢方薬の飲み薬と、
皮膚に直接塗る西式の塗り薬を処方されました。
でも、その塗り薬は拒否したんです。


中国における西様式の薬(化学物質由来の薬)が、いかにキツイか
(日本の基準値の数倍とか・・)をきいたことがあったので、
単純に使いたくなかったですよね。

もうひとつは、値段です。

この日の合計金額が、薬込で
しめて450元、約6750円だと言われたんです。

た、たかい・・・

この値段を聞くまで、この診察にいくらくらい
かかるものなのかという、単純な疑問が
抜け落ちていた自分にも、びっくりしたけど。

だったら西洋の薬は、いらないな、と思ったのよね。
日本からもってきた保湿クリームでなんとかなると。


それで、西薬をのぞいてもらった合計金額は、
しめて438元になった。
まだ高いよ。。


受付で夫がだまって、
500元を取り出し渡しているのを見て、
思わず、す、すみません・・・
と言ってしまいました。


そして、いただいた明細書。
これを見てみて、さらに驚いた。


***

診察代 2元
薬代  436元

合計  438元

***


ほとんどが、薬代・・・
てか、診察代2元って、書く必要あるの・・?


この明細書には、医者は診察をする人ではなく、
薬を処方する人なのだという事実が、
書いてあるのでした。


そうか、中医でも、こうなのか。


これによれば、お医者さんのお給料って
いったいどのくらいが相場なのかわからないけれど、
お薬代(薬会社?)によって上乗せ可能だ、
って想像に難くないですよ。


とはいっても、漢方薬で使う薬草が、
そもそも貴重なんだから、薬が高くなるのはしょうがないね、
と、言い聞かせるようにつぶやいてみるのだけど
夫は、


無農薬の高麗人参なんて、北朝鮮から
ものすごく安く手に入るし、
養殖だのなんだのってあるんだから
ほんとうは原価もそんなに高くないはず。
それだけの値段じゃないってことだよ。


というではありませんか。


夫の言うことがすべて正しいとも、
中医の最新真実だとも思わないけど、


診察代2元って。

中くらいのきゅうりが3本かえる値段だよ!!


まだ、

診察代50元
薬代288元

とかのほうが、よっぽどこの病院の説得力が
出るというもの。


なんか、2元の診察って、

「私は責任取りませんよ」

って言われているみたいで、
とても空しい気がしたのだけど・・・
これも日本的な考え方なのかしらん。


というわけで、

中国では、漢方といえども
医療は医療などではなく、商売である、ことを
改めて実感した次第。


ついでに先日、ついに飲み薬が切れたので、
再度受診したんです。


おじいちゃん先生は、
私のうすくなった湿疹を見て、


「好了。好了」(よくなってる)


と繰り返しました。

この調子なら、年内には治るかもしれないと。


それで、追加で薬をもらうついでに、私は、
この薬の原料は何か聞いてほしい、と夫に頼んだんです。


だって、自分が何を飲んでいるか、知りたいよね、
患者としては当然です。

なにが「内臓の湿気」除去に、何が効くのか、
知りたいですよ。

ところがその質問を聞いたおじいちゃん先生、
突然、真顔になって、こういったんです。


「そんなこと聞いて、どうするんだ」


え、聞いちゃいけないの?


何度聞いても、答えようとする気配がないので、
夫は、「もういい」と言って、
それ以上は追及してくれませんでした。


こちらからすると非常に軽い気持ちだったのに、
そのときのおじいちゃん先生は、じっとこちらを見据え、
瞳の奥ではまったく笑っていませんでした。


専門家に対して、すべき質問ではなかったのかなあ・・・


帰りの車のなかでいろいろ考えていたら、
ふと夫がいいました。


「ほかの中医にも行ってみようか。
知り合いに紹介してもらった中医なら、
原料を教えてくれると思うよ」


そうか、やっぱりそうか。


知り合い以外に、レシピを教えることのリスク。

あの穏やかそうに見えたおじいちゃん先生にも、
ここまで来るまでに、必死で守らなければ
ならなかった何かがあったのだ・・・


そのとき、はじめて、過酷な中国での
「医者」という職業について、考えさせられたのでした。

この国で、中医として生きるために必要なスキルは、
決して東洋医学の知識だけじゃ
なかったはずですよ。

あのするどい眼光は、
自分が必至に開発し、守ってきたものを
どうしてお前などに教える必要があるのだ、
というような、自己防衛についての
強いメッセージであるような気がしました。



中国の、医患関係なんて、こんなもんなんですね。

それは、
患者は、薬の原料なんて知らなくていい、ただ
医者のいうことに従えばいいのだ、という関係でもある。

インフォームド・コンセント?
なにそれ? の世界です。


まごころで、真摯に対応してくれる、
たいへん腕のいい先生も
中国にはたくさんいらっしゃると聞きます。

(「最美」とか言われて、党のプロパガンダに
利用されているようですが)


でも、そのような医者が
この国でいう出世ができるのかどうかはわかりません。


医者が、あらゆる意味でメリットのある立場に居続けるために、
守らなければいけないもの、面子、中国における人間関係、、
そういったことの数々が、
現場での診察代を3元にしてしまう遠因なのだと
うっすらと思います。



さて、私が飲んでいる漢方薬がほんとうに
漢方薬かどうかもあやしくなってきたよ(汗)
すると夫は、「蛇の皮は入ってるよ」
と教えてくれました。

先生が、最初の診察のときにそれだけは言ってたんだってさ。
そうですか、蛇の皮ですか。
ありがとうございます。。。

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by tania0418 | 2014-08-15 13:20 | Trackback | Comments(0)

漢方薬を飲んでいます(2)

右足に赤みがでたのは、
瀋陽にきて半年が経つ頃だったかなあ。


とにかく、その頃は瀋陽の生活が
つらくてつらくて、、、(自分で選んだくせに)。


夫との関係もひどかったし、
子どもは幼稚園に行きたくなくて号泣してるし、
自分はここに友達もいなければ一人で飲みにいくこともできない。
(注文ができない)


もはやぶつける先が夫しかおらず、
集まれば喧嘩、という、ちょっとした家庭内崩壊状態でした。


そういう精神状態だったから、
約2カ月お腹をくだしてげっそりしたし、
10数年ぶりに中耳炎になり、
あげくCTスキャンされるほどの頭痛(激痛)を経験、
そのあと体のところどころに、
湿疹がでるようになりました。


まとめて書くと、すごいねえ。。


今だから断言するけど、
中国で暮らしたから、こんだけの病気になったんじゃないんですよ。

こういう精神状態だったからだと、今は思います。

(最初の腹下しは、中国の油のせいだと思うけど・・・きっぱり)


最初は、中国のすべてが、原因だと思ってた。

食べ物、空気、文化、ぜんぶ私に合わない!って
ぷんぷんしてたんですよ。

でも、どうもそれだけじゃないな・・・

と思わせてくれたのは、長期保存してしまった
この湿疹なのでした。

だって、私はもう、ほとんど地元の人たちと近い生活レベルです。
ここのほうが気楽でいいや、なんて、
不自由さをさほど感じなくなった今でも、
この湿疹だけが治らないんです。


そういうわけで、「私を中医につれてって」と夫に頼んだら
すぐさま、そこそこ大きい、近所の中医に連れて行ってくれました。

夫が思いのほかすぐに行動してくれたのを見て、
私の皮膚疾患について
「うつるのでは・・・」と(自分を)心配しているな、
と思ったことはさておき、


市内には、もっと盛大に人気のある
大きな中医がありますが、
そういうところだと、コネがなければ
パッとみてパッとおわり、な可能性もある。

個人で開業している中医がいいなあと思っていたけれど、
ついたところは、鉄西区にある「瀋陽市西城中医院」。

よく目の前を通るのに、ただの中華レストランだと
思ってたよ。

a0279234_12364409.jpg
団地の1~3階を改装しただけの病院です。
こういう風貌の中医、たしかにあちこちで見る。

a0279234_12381589.jpg
中医といっても、西洋式の薬と混合で治療を
行うことも多いようで、薬局が西洋に分かれていました。


院内は、薄暗く閑散としていましたが、
内科から外科、鍼灸、整体と、
多岐にわたる診察室があり、廊下を歩いていたらわくわくしてきた。

どの部屋の先生も、診察してんだか雑談してんだか
ヒマそうなのも、ゆるくていいなあと思った。


さて、3階の皮膚科の診察室にいたのは、
おじいちゃん先生。

てっとり早く、右足を見せ、どのくらい長期保存しているか
夫が説明してくれました。

結果わかったことは:


・これは孤立性湿疹である。右足にあれば、左足にもあるのが普通
(私は、片足だけ)

・環境の変化も原因だが、
内臓(胃腸)の湿気が多いのが原因。胃が悪い。

・かゆみがあるが、掻かないように。
かくと皮膚が固くなり治りにくい。

・辛いものを食べてはいけない。

・この病気は治る。けれど、20年治らない人もいる。


ということでした。


内臓からなおす。

これが、漢方の基本的な考え方のようですね。


深いことはわからないけれど、
なんとなく、湿疹の様子を見て、即座に穏やかに
応えるおじいちゃん先生を見ていたら、
信じてみようか、と思った。


処方された飲み薬(液体)5日分。

信じられないくらい苦いのですが、
お湯で薄めて飲んでいます。

あとは、この薬を飲む以外に、皮膚にときどき、
保湿クリームを塗るように。

さらに、かきすぎて傷になった所に
感謝するようにしました。

これがねえ、
書き出したらとっても宗教じみた行為だけど、
でも実際、そう思ったんですよ。


この皮膚疾患がなければ、
中医というものを体験できなかったわけだし、
また、この皮膚疾患のおかげで、
体調管理と精神的ゆとりの大切さを身にしみて
感じたんです。


出たら終わる風邪のような病気じゃなくて、
こうやってずっと培養してきたような湿疹には
逆に、愛着がわいちゃったのでしょう。

最後の最後に、のこった病気ですから。


この湿疹がなければ、わからなかった世界があること、
この湿疹が治らなかったことで、気づけた世界があること、
そういうことを考えたら、ほんとに豊な気持ちになった。

漢方薬にふれるのも、ほとんど初めてだったし、
この体験すべからく面白いなあ、ありがたいなあ、
という気持ちで。


というわけで、
一日1杯の漢方薬(ほんとは1日3回と言われた)と
感謝の気持ちをセットにしてケアしていたらね、
3日目には、ほんとうに、湿疹が薄くなってきたんです。。。


夫に見せたら、「効いてるねー」って言っていた。


でもね、冷静になってみれば、
1日1杯の漢方薬が、効くわけないですよ。


仮にだまされて、漢方薬ではなく
西洋の劇薬を混ぜたものを処方されてたとしたら、
副作用があってもおかしくないと思う。

このスピードだったら。思いません?


それで結局私がなにを思ったかというと、
つまり、繰り返しになりますが
体に現れる病というのは、、
ほとんどが精神的なものが原因じゃないかってのが、
「漢方薬を飲んで」気づいたことです。。。


皮肉ですねー!



湿疹が薄くなり、かゆみもおさまってきたましたが、

まだまだ完治には程遠い。

でも、薄くなっただけでもうれしい!!


たぶん、ゆっくり治っていくと思います。

自分の体をケアするのは、自分でしかない。

いやいや、それができるのは、
自分しかいないんだってことを学んでいます。


やっぱり、私は病院や医療に、
過剰に期待してたんだな。


そりゃあ日本の病院の、医療技術のすばらしさを
見せつけられたら、期待もしちゃうよね。


でも、
初めて会う誰か(たとえば医者)から「こうしなさい」って言われることより、
自分が「こうじゃないか」と思うことを頼りにしてもいいんじゃないかと、
中国は、私に教えてくれています。


結局、自分の感じていることが、
すべてなんだと思います。


a0279234_12433279.jpg
漢方薬局の奥。
「千と千尋の神隠し」に出てくる釜じいの部屋みたいだ
と思った。あの釜じいが作っている薬も、漢方なんだろうね。

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by tania0418 | 2014-08-14 12:50 | Trackback | Comments(0)

中国のリフォーム体験

漢方薬も飲んでいるのですが、、、
いま、実家をリフォーム中です。


義母の住む家は、90年代初めにたてられた
コンクリートマンション。

築40年か?というような外見ですが、
外をあまり気にしない、という中国の考え方を
学んでからは、まあ、こんなもんか、と思うようになりました。

a0279234_14144754.jpg
階段や小さな踊り場は裸電球いっこ。
ゴミはたまってるし、手すりはさわっちゃ
いけないというのが暗黙のルール(きたないから)。
扉をしめれば、あとは自分と関係ない、っていうのが
作法らしいです。「みんなで管理する」ことができる
日本の意識が、ほとんど奇跡的なことに思えます。


それ以前(80年代)は、煉瓦づくりの長屋で、
近所の人たちと共同生活のようなものを
送っていたそうです。

トイレと炊事場が共同だった、と夫はいいます。

極寒すぎる冬の暖房は、ドラム缶に木をくべて
とっていたとか・・・

混乱と貧困の時代。

でも、まわりのほとんどがそんなだったから、
あえて言うことでもないのかもしれません。


さて、現マンション。


これからしばらく、内装を業者さんといっしょに
自分たちで作っていくことになります。

夫は、長男であるため、
その先頭にたって、いろいろと仕切らねばならない
ようで、忙しそうです。


中国というのは、
新築のマンションを買うといっても、
「箱」だけを買うので、内装は自分たちで、好きなように
つくるのが普通です。

日本のように、キッチンやトイレなんか、ついていません。
ただの、穴があいている石の部屋を買うんです。

それから、自分たちのすきな家具、水周りの場所、
玄関の扉、・・こまごまとしたすべてを
すきなようにデコレーションしていくのです。

リフォームっていえば、ちょっと現代的だけど、
私がいま見ているリフォームは、
なんというのか、、、ただの工事に見えるけど。

まあ段階を追って。
そもそも、このくらいの規模の小さいうちのリフォームなら、
業者さんというより、そのへんにいる農民工さん(個人)
と交渉し、工事してもらうのが一般的なのでしょう。


これからどうなるかな。ちょっと楽しみですよね。


「もうこの家をリフォームすることは、
これで最後だから、後悔のないように」

と、意気込んでいる夫です。


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by tania0418 | 2014-08-13 14:23 | Trackback | Comments(0)

漢方薬を飲んでいます(1)

中国では、総合病院が大繁盛しています。

みんな、なんでもかんでもすぐに病院に行く。

病院で点滴を打ってもらえたら、風邪などすぐ治ると
信じているからです。


重篤でない赤ちゃんでも、点滴していることがあります。
中身はただの解熱剤だと思うけど・・・赤ちゃんにそんなことする必要あるのか?
って思う。

それに赤ちゃんって、どこに点滴の針を刺すか知ってます?

おでこの横、
こめかみにうっすらある筋に、ぶすっと指すんです。

ほぼ頭に管をさされてる赤ちゃんと、
点滴袋をつるした棒を抱えるお母さんを見ると、
あまりの不自然さに、私なんかは動悸が激しくなります。



また、中国には日本のような健康保険制度がないので、
入院以外の診察には、すべて実費がかかります。
注射針から診察代まで、
ぼったくるようにお金を取られます。


極めつけは、薬。

製薬会社との癒着がベタベタなので、
不必要と思われる薬を、庶民にはわかんないだろうってことで、
たくさん処方される。
これが、実はいちばん高かったりする。


だから、総合病院、大学病院なんて、
どこの繁華街よりも儲かっているし、人であふれているのです。


中国の一大企業といえば、総合病院。

これが、私の認識です。

去年のお正月、ひどい目にあって以来
病院には行かないと決めてたんだけど、、

同じ年だったかな、
子どもの熱が下がらなかったことがあって、
家族の強い勧めもあって仕方なく頼ってしまって、、、

家族にしたら心配よね・・・。

でも、そのときの横柄な若い医者の、
いかにも偉そうな診察(3分)に頭に来て、
一切の指示を無視し、診察カードを病院のごみ箱に捨てて以来、
総合病院には足を踏み入れていません(笑)。

(娘の熱はふつうに下がりました)


だから、私個人としては、
中国のことは嫌いでもなんでもないけど、
中国の総合病院だけは、はっきりいって、「大嫌い」です。


一方で、
そうした一流企業(総合病院のことですよ)にも、
いいところはあるんだなと思ったことがある。


それは、
日本のように「責任が負えないから」という理由で
受診拒否されないこと、です。


どんなに末期でも、どんなにベッドが足りなくても、
とりあえず受け入れてくれて、
とりあえず見てくれる。


これは、やっぱりすごいことではないかと思う。

もちろん、ケアの質を、もちろん求めてはいけません。


なんでもとりあえず、寝かせてくれて、
応急処置のようなことをしてくれるんです。


下世話にいえば、病院は
それだけで課金できるわけだから、
受け入れないわけがない、んです。


だけど、、たとえそんな理屈であっても、
ただ病院に受け入れられることの、
庶民におけるその安心感ってあるなって思った。


そう実感したのは、
おばあちゃんが倒れ、危篤状態になって運ばれたときのことです。


その部屋にいたのは、4、5人の患者。
やはり、みな危篤状態か、それに近い人たちでした。


なぜ他の人の様子がわかるのかというと、
一切の仕切りがないからです。


簡易ベッドに乗せられた患者たちが、
ただ一列に並んでいるだけの薄暗い部屋でした。


心拍を図るモニターにつなげられ、点滴をさされ、
そのまわりに、それぞれの家族が取り囲んでいます。


私たちの隣に寝ている、比較的若い男性の、
うつろで、息苦しそうな表情からは、
どうしようもなく「末期」であることがマルミエ、なのです。


そしてまた、おばあちゃんも、それ以上に意識不明であり、
不自然な呼吸の、息のもれる音が、室内に響き渡ってもいました。


この病室を担当しているお医者さんは一人。

ときどき忙しそうに回診にまわってきますが、
一人の医者が、4~5人の患者を懇切丁寧に看るなんてことは
あらゆる意味で困難だと、誰が見てもわかることで、
家族も矢継ぎ早に質問はしつつも、
それ以上のことには一切口を挟みませんでした。


そこには、ほんとうに医療と呼べる行為があるのかどうかも
わかりません。

もちろん、プライバシーなど守っているヒマもない。

病院ではあるけれど、ただ死ぬのを待つだけの部屋。


私は、おばあちゃんの危篤状態だけでも苦しいのに、
他人の末期にも触れざるをえず、
もはや過呼吸になりかけ、部屋を出ました。


病室を出たら、
そこはロビーに程近い開けた空間だったのですが、
受付カウンターのみえる玄関口のような所にも、
ちらほらと簡易ベッドに寝かされた患者がいる。

ああ、彼らも、とりあえず受け入れられたのだな、と思った。



家族にしてみたら、と思うのです。


行き届いたケアは期待できずとも、
プライバシーもなにもなくとも、
自分たちだけではどうしようもない家族のことを、
専門家が、力を貸してくれると意思表示してくれるのは、
やっぱり安心するな、と。


医療側の態度も非常にはっきりしているのも、
ある意味、ありがたいんです。

ここまではできる、ここまではできない、と。

おばあちゃんに対しても、死を待つ患者としてしか、
扱わないから、
医者のドライな表情を見ていると、わかってくる。

ああ、これはもう、葬式の準備をしたほうがいいな、
とかいうふうに。
私たちの中でも、何かが冷めていくのがわかるのです。


ここでは、だれも、
医療が、サービスなどとは、
すべての命を救える場所なのだとは、
思ってはいないのだな。


私って、医者や医療に対して
「もっと対応のしようがあるだろう!!」なんて、
どっか過剰に反応しているのかもな、
と思ったりしました。


もし私が、もうどうしたらいいかわからないような症状の
家族を抱えてしまったら、
どんなに嫌いでしょうがなくても、やっぱり、病院にすがると思う。


助けてほしいのはもちろんだけど、
自分だけで抱えるより、そのほうが、ずっと、
ほっとすると思うもの・・・。


個人的には、あらゆる意味で
病院に頼らねばならなくなるような不摂生は
やめようと決意しましたが、
中国の病院にもそれなりに、よいところがあるのだと思います。



でも、

だから、迷ったんだけど・・・


実は、瀋陽に来てからできた皮膚疾患が治らないので
(約2年放置)、
とうとう、病院に行くことにしたんです。


といっても、総合病院ではなく、中医です。


中医というのは、日本でいう、漢方や東洋医学のこと。
ここでは、
古くからの医療技術が、”民間療法”などと片付けられることなく、
根づよく、市民の信頼と実績を得ています。


そもそも、漢方こそ、
ここで唯一大切にされている伝統技術
と言ってもいいのかも。


実際に中医に行ってみたら、
そこでもまあ、いろいろ思うことがあったのですが、
それでいま、皮膚疾患を治そうと決意してからは、
黙って漢方薬を飲んでいます。


処方されたお薬は、飲み薬(液体)。

原液だけでは、苦くて吐きそうなので、
お湯で薄めたりして、飲んでいます。


そうしたらね。


驚くなかれ、本当に、傷が癒えてきた。


ほんとです。
使用前、使用後の写真も撮ってみてるけど、
ちょっと、薄汚い肌荒れの写真だから、ここには載せないけど・・・

飲み始めて2週間。

ほんとうは、1日3回(5日分)と言われたけど、
苦すぎて、飲めなかったのでサボって
1日1回しか飲まなかったんだよね。


だから、漢方薬が効いた、とは思わないです。


漢方薬のくせに、大して飲んでないのに、
あまりにも効果が出るのが、早すぎます。


なんとなく、病気って、いろんなことがからんでいると
思った体験だったので、次に続きます。

a0279234_1441577.jpg

移り込んでいるのは娘のおててですが・・・
1回の量が多いので、いつもあっぷあっぷしています。

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by tania0418 | 2014-08-12 15:42 | Trackback | Comments(0)


フリーランスの編集・ライター。夫の故郷、遼寧省瀋陽市での、食、子育て、仕事。 お問い合わせ、そのほかはこちらへ。ken76ya@hotmail.com


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