人気ブログランキング | 話題のタグを見る

物乞いの真似をする子どもに思う、終戦記念日

子どもって、なにも考えない。
大人みたいに、余計な意味をくっつけて解釈しない。


ストレートで、瞬発力あって、
ときに破壊力だって、あるんだよな。


告白しますが、私、小学生のころ、
天然パーマがきつくて赤毛の女の子がいて、
みんなで、その子のことを「げんばく」って呼んでたの。


教科書で広島の原爆のことを習ったばかりで
キノコ雲の様子と彼女の赤毛がそっくりだったから。


ただそれだけ。


それ以外の意味も、解釈もない。
ただ、彼女の天然パーマがめずらしくって、
それをいじってみたくて、
それにあう言葉を見つけて喜んでいただけ。


今考えるとすると、ぞっとする。

なんて頭の悪いことしてたんだ、って
自分が信じられないような、
責めたいような、どうしたらいいか
わからない気持ちになる。


だけど、子どもって、
そういうことをするもんなんだ。
今日、我が子にそのことを思い出させてもらった。


大人からみれば「ひどい」ような
「悪い」ようなことをしても言っても、
実は中身はなーんも考えてないんだって、
自分を振り返っても、わかる。


「悪い」とか「よい」とかじゃなくて、
自分しか、いないんだよね。


・・・半年ぶりの中国。


先日、久し振りに娘と中街を歩いたら、
物乞いがいました。


見慣れた風景なので、もうどうってことないんだけど、
それに刺激されたのは娘のほうだったみたい。


夜、家に帰ってから、ひとりで遊んでいた娘が
「ままーちょっときてー」
といってわたしを呼ぶ。


するとどうしたことか、
娘は着ているTシャツのなかに
両手を入れて待機。


あぐらをかいて座っているその膝元に、
口のあいたガマ口を置き、
頭を下げながらこう言うではないか。



「給我銭、給我銭」
(おかねちょうだい)


……どうしたらいいか、わからなくなって、


「これはなんの真似?」


と明らかにそれとわかっていながら問うてみるけれど、
本人は、恥ずかしそうに、



「ままが笑ってくれるかなあって思って」(ニッコニコ!)



その笑顔に、負けそうになったけど、
でも、いま日本にいたら、きっときっと、


「ちょっとそれはないんじゃない」


って、お小言したかもしれないと思ったら、
急に自分のことが恥ずかしくなってきて、
ついでに冒頭の子どものころの自分も思い出したりして、
いてもたってもいられなくなった。



中国っていう場所がらも影響したと思うけれど、
母親としてなんてコメントしたらいいのかわからないし、
なおかつ、「だめ!」
っていうのは、ぜんぜんズレてると思ったので、
家に帰ってきた夫にそのことを言ったら


「ちゃんとお金あげたの!?」


と笑われてしまった。


そのとき、ハッとしたんです。


「物乞いだからって、からかってはいけない」とか
「貧困をなくさなければならない」とか
「みんなと仲良くなければならない」とか


思いこんでいる自分がいるって。
そして、この自分、かなりうさんくさいな、って。


中国では物乞いがいて当たり前、
ほっとくしかないじゃん、っていうことじゃなくて、
子どもって、そうだった!んですよね。


現実がどうのこうのの前に、
子どもはただ、目にした新しい出来事を
そのままうけとって、ただ遊んでいるだけ。


そうやって、体験したり、味わったり、
感じたりしながら、おとなになっていくんだな。


だから、

自分の思う正しさや、世間の言う正しさに照らして
子どもに
「そんなひどいことをしてはいけません」
「かわいそうなんだからやさしくしなければなりません」
を強いるの、できるだけやめようと思った。


これを書くのだって、けっこう勇気がいった。
でも、もう書いてもいいかなって
娘を見てたら思ってしまった。


ひととおり遊んでみれば、
子どもが自分でそのうち気がつく。
そのことのほうが、大事ではないかと。


それに、物乞いである人たちが、自分がじつは
かわいそうな存在ではないことに気づいて、
娘のように、満面の笑みでさわやかに、思いっきり
「おかねちょうだい」がいえたら、世の中か・な・りかわる!
そのことにも、気がついた終戦記念日です。

物乞いの真似をする子どもに思う、終戦記念日_a0279234_14042843.jpg
中街では、クレヨンしんちゃんが25周年ということで
絶賛イベント開催中(ガラガラだったけど・・・)
でも、手書きの絵コンテや日本語の漫画のパネル
なんかも展示してあって、ちょっと新鮮でした。

2人で60元(1200円)て高いよね?! 
チケットのほかに、しんちゃんのイラスト入りの
ガマ口とキーホルダーがついてくる。
そのガマ口が、今日の娘の小道具となった次第……。

だけど、連載開始当初から「問題作」だとされた
しんちゃんが、こうして海を超えて愛されているって、
やっぱり子どもの純真さに勝るものはないってことですね。


by tania0418 | 2015-08-16 14:07


フリーランスの編集・ライター。夫の故郷、遼寧省瀋陽市での、食、子育て、仕事。瀋陽の骨董市で見つけた雑貨を「わたしの中国雑貨店」にて販売。https://mychina.thebase.in/


by tania0418

S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

カテゴリ

全体
未分類

以前の記事

2019年 06月
2019年 05月
2019年 03月
2018年 11月
2018年 09月
2018年 08月
2018年 05月
2018年 04月
2018年 03月
2018年 02月
2017年 12月
2017年 11月
2017年 10月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 05月

フォロー中のブログ

最新のトラックバック

検索

タグ

その他のジャンル

ブログジャンル

海外生活
日々の出来事

画像一覧